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カジュアルMTGプレイヤーがいろいろ語りたがるブログ

初めてカードショップに行った話

ドミナリア発売しましたね。

カーン、高過ぎない??

こんにちは、あさぎりです。

 

今回は、昔話です。

15年以上前。自分がまだ少年だったころの話です。

 

 

補充

「補充」というデッキがある。
正確には"過去に活躍した"デッキだ。
 

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補充/Replenish  (3)(白)
ソーサリー

あなたの墓地にある、すべてのエンチャント・カードを戦場に戻す。

《補充》をキーカードにした青白カラーのコンボデッキだ。
様々なタイプがあるが、僕が知るのは《パララクスの波》《パララクスの潮流》を軸とした、
パララクス補充というタイプだ。

パララクスの波、パララクスの潮流などにより盤面をコントロールしたうえで、オパール色の輝き/Opalescenceによりクリーチャー化したエンチャントで殴り勝つ。

4 調律/Attunement
3 対抗呪文/Counterspell
1 エネルギー・フィールド/Energy Field
3 悟りの教示者/Enlightened Tutor
4 大あわての捜索/Frantic Search
1 神秘の教示者/Mystical Tuto
4 オパール色の輝き/Opalescence
3 パララクスの潮流/Parallax Tide
4 パララクスの波/Parallax Wave
4 補充/Replenish
1 浄化の印章/Seal of Cleansing
1 退去の印章/Seal of Removal
1 空色のダイアモンド/Sky Diamond
1 神の怒り/Wrath of God

9 島/Island
8 平地/Plains
4 アダーカー荒原/Adarkar Wastes
4 リシャーダの港/Rishadan Port

MTG wikiより)
 
MTGを知った小学生当時、
ほとんどの友人が緑をメインにしたデカブツデッキか、
白いクリーチャーを多くいれたレベルというアグロデッキが多かった。
青系のコントロール使いは卑怯、性格が悪い、友達を無くす
と今思えば散々な評判だった。
 
ゲームぎゃざ
というカードゲーム雑誌があった。
この中で紹介された補充というデッキに僕は衝撃を受けた。
 
当時、中二病という言葉は無かったが、人と同じは嫌だ、自分は特別な存在なんだ、と勘違いするイキリキッズだった自分は猿のように飛びついた。
 
このデッキを組みたい。
 
MTGのカードを入手すると言えば、古びたおもちゃ屋でブースターパックを買うか、友人とトレードするかの2択しかなかった。
 
今思えば純粋にトレーディングカードゲームをしていたのだ。
 
この補充デッキを組むにはピンポイントでレアカードを複数枚購入するしかない。
さてどうするか、と僕は友人のK君に相談することにした。
K君はカードオタクの兄を持ち、
僕らアグロキッズを前に容赦なく《マスティコア》をぶちかます、本当に空気を読まない少年だった。
彼の兄情報によると、2つ隣の駅の本屋さんではカードをシングル販売していると言う。
そこにはデュエルスペースもあり、猛者が日々練習会を開いていると言うのだ。
 
これだ。
 
補充デッキのパーツを集めるにはここにいくしかない。
ついでにご自慢のデッキでいっちょ腕試しだ、とアキラ100%ならぬイキリ100%でカードゲーム屋に向かったのだ。
 

カードショップ

片田舎の某駅。
噂の書店。
基本的には古本屋で、片隅にシングルカード売場とデュエルスペースがあるタイプのお店だった。
ショーケース内にMTGのカードがギッシリと陳列しており、今では普通の光景だが、少年だった僕には夢のような売場だった。
当時のトップレアは《リシャーダの港》と《マスティコア》で、どちらも1枚4000円の値段が付けられていた。

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(リシャーダの港は今でも活躍してるよね)
 
目的の補充パーツはそれほど高価ではなかったが、毎月のお小遣いが1000円ほどだった少年にはかなり高く感じた。(さすがに《リシャーダの港》は諦めた)
財布にはおばあちゃんからもらったお年玉があり、
お年玉で補充したお金を補充デッキで散財するという、意味がわからない状況になっていた。
 

デュエルスペース

目的のカードを買えた僕は、ほくほくとした気持ちで、噂のデュエルスペースを覗いてみることにした。
そのスペースは明らかに空気が違っていて、ドラクエで言うと橋を渡った途端に強い敵とエンカウントするような不穏な空気のスペースだった。賢者のために遊び人を育てている場合ではないのだ。
そこはオタクの風貌の高校生や大学生がひしめき合っていて、とても少年が入り込める雰囲気ではなかった。
さすがにこれは無理だ、と一瞬で悟った僕は帰ろうとするが、
 
「きみ、マジックやるの?」
 
と声をかけられた。
 
声の方に顔を向けると、
トロールのような男がこちらに視線を向けていた。

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「は、はい…ちょっとですけど…」
 
と、イキリキッズはどこへ行ったとばかりに僕は萎縮して答えた。
 魔王ハドラーと対峙したクロコダインばりに冷や汗をかくが、
 
「対戦しようよ。デッキあるんでしょ?」
 
と先制攻撃を仕掛けてくる。
しどろもどろになりながらも、僕は席に付き、
トロール棍棒、ではなくデッキをテーブルに置いた。
 
覚悟を決めて対戦を始める。
 
僕のデッキはスーサイドブラックだった。
《暗黒の儀式》から《ファイレクシアの抹殺者》を1ターン目から高速展開する黒単デッキだ。

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(今でも人気のあるカードだ)
 
スーサイド(自殺)の意味する通り、ハイリスク・ハイリターンの危険なデッキだ。
先手。
沼を置いて《暗黒の儀式》からの抹殺者。
ベストムーブだ。
トロールのターン。
 
《山》を置いてタップし、
 

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《ショック》
 
弱点としては、火力に絶望的に弱いことが挙げられる。(中略)あまりに赤に弱いため、1ターン目に相手が山を置いただけで投了した人がいるという話もあるほど。(MTG wikiより)
抹殺者をレッドゾーンに送り出す、とかそんな悠長な解説をする暇も無く、僕の場は更地と化した。
 
棍棒 win!
 
 じゃなくて、トロールwin!
 
正直言って、15年以上前なのでほとんど覚えていなく、
赤系のデッキにボロ負けした、という記憶しかない。
 

補充デッキ完成

 
いろんなことがあったが、補充デッキは完成した。
まわりがカジュアルレベルのデッキに比べ、
補充デッキは鬼のように強く、
アホみたいに無双した。
サイドボードという概念がほぼ無く、メインデッキで永遠とフリープレイしているため尚更である。
そのため、メインから
《沸騰》を撃たれる

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《沸騰/Boil》
すべての島(Island)を破壊する。
 
という対人メタが横行したのは言うまでもない。